難しいを簡単に解説『ESG投資』

さっそくですが、ESG（投資）という言葉を知っていますか？

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ESG投資とは？

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ESG投資の基礎ができたのが2006年4月に発足した国連責任投資原則（PRI）であり、「受益者のために長期的な投資成果を向上させること」を目的に6つの原則で構成されています。

国連責任投資原則は6つの原則に賛同する資産所有機関、運用会社（機関投資家）、その投資サービス提供者などによる署名で構成された機関で2022年4月末現在4944の機関が署名しています。

国別でみるとアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダが上位5ヵ国の署名機関を有し、日本は88ヵ国中12番目に多い115機関が署名しています。

PRI発足時に日本で署名していたのはわずか3社でしたが、2015年9月16日に日本国民の国民年金と厚生年金を管理し運用する年金積立金管理運用独立法人（GPIF）が署名をしたことを発表したことで、日本にも ESG投資が広まったとされています。

超簡単に解説 | ESG投資

環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）

SDGs（持続可能な開発目標）は2015年に採択された2050年までの17の開発目標です。

17の開発目標には環境や社会、ガバナンス（企業統治）に対する項目が織り込まれており、つまりESG投資はSDGsに積極的に取り組んでいる投資先への投資戦略と言っても間違いではありません。

長期的に環境や社会を考慮すれば利益が増える

ESG投資に長期的な視点が必要なのはSDGsが2050年の開発目標に基づいているからです。

環境や社会に対するリスクや機会は財務諸表からは読み取れない点でESG投資は従来の投資スタイルと大きく異なります。

PRIが発足した2006年にサステナビリティ報告の国際ガイドライン第3版がNGO団体のGRI（Grobal Reporting Initiative）によって公表されたのを皮切りに、複数の機関よりESGを考慮するガイドラインが公表されています。

過去から現在に至って環境や社会を考慮すると利益は減るという考えが主流ですが、2050年に向けてSDGsをターゲットにすることは大きなビジネスチャンスがあると考えられます。

例えば、現在はガソリンを燃料にする自動車の方が売れていますが、将来的にはガソリン車の使用縮小・使用禁止により二酸化炭素排出量の少ない電気自動車などに置き換わるように、環境や社会を考慮することで将来の利益を獲得できる可能性があります。

ESG評価機関の調査によるESGスコアにより評価

サステナビリティ報告の国際ガイドラインを基に様々な手法で開示されたデータをESGスコアとして評価するのがインデックス開発機関やESG評価を専門的に行う機関です。

例えばモルガン・スタンレーキャピタル・インターナショナル（MSCI）が提供するMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、MSCI ESG Researchの調査レポートからAAA〜CCCの7段階にESG格付けして一定の条件のもとでEGSインデックスを算出しアセットオーナーや運用会社に提供しています。

組入銘柄	組入率	格付け
トヨタ自動車	7.56	BBB
ソニー	6.10	AAA
キーエンス	4.78	BBB
リクルートホールディングス	3.32	A
東京エレクトロン	3.12	AA

一方、FTSE Russellが提供するFTSE Blossom Japan IndexはESGスコア3.3以上の日本企業、かつ産業分野が偏らないように一定の条件で算出されたインデックスを提供しています。

組入銘柄	組入率	ESGスコア
トヨタ自動車	6.48	3.6
ソニーグループ	4.28	3.9
三菱UFJフィナンシャル・グループ	2.59	3.3
リクルートホールディングス	2.48	4.1
東京エレクトロン	2.37	3.7

世界持続可能投資連合（GSIA；Grobal Sustainable Investment Alliance）がPRIの6原則に基づいたESG評価として以下の7手法が知られており、各手法を単独、または組み合わせて決定します。

トレンド解説 | ESG投資

S&Pダウジョーンズインデックスが提供しているS&P500ESGインデックスを人気のS&P500インデックスと比較してみます。

SP&500ESGはサステナビリティ基準の概念を入れ設計されているS&P500に近い指数でセクター（業種）と銘柄（企業）の組入率が微妙に違うだけです。

2019年頃までは同じような推移を示していましたが最近は僅かにS&P500ESGインデックスの方が好パフォーマンスを維持しています。

ESGは長期的な環境・社会のサステナビリティへの投資という側面で長期投資思考の投資と相性の良いインデックスとなりえます。

好パフォーマンスを継続し続けることで投資妙味も含めてよりSDGsが注目されるのと同時にESG投資にもスポットライトが当たる時期がやってくるかもしれません。

2022年5月現在、日本で投資できるS&P500ESGインデックスに連動するETFは野村アセットマネジメントが運用管理会社として提供する「NEXT FUNDS S&P500ESG指数連動型上場投信」のみで、SBI証券や楽天証券を介して誰でも投資することが可能です。

「日経」が最も検索されているようです。

「日経ESG」は企業が持続的に成長するために欠かせないESG（環境・社会・ガバナンス）に焦点を絞った経営誌です。

出典：日経ESG

まとめ

「ESG投資って何？」と聞かれたらこのように答えましょう↓

単なる慈善活動への投資に終わらず、長期的に環境も社会も企業活動も持続的な成長のために私たちも実際に行動するなり、投資という形で応援するなりして、より良い未来を築いていきたいですね。

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